2014年7月21日(月・祝)大学の合唱団の先輩でもある合唱人の原田さんとの企画で、第69回東京都合唱祭にてオリジナルの合唱曲「大事なこと」を演奏しました。
Download (rev003)楽譜はこちらから!
PDFで開きます。ぜひみなさんで演奏してみてください!
合唱曲「大事なこと」について
大学を卒業するタイミングで、所属していた大学合唱団の卒団式(追い出しのお祭りみたいなもの)で演奏するために書いた曲です。小難しいものではなくて、中学校の卒業ソング集のどこかにペロっと乗っているといいな、というイメージ。
クラス合唱を目指して、本当は中学生向けの簡単な3部合唱みたいににしたかったのだけど、やっぱりどうにもバランスが悪くなってしまったので男声のdiv.が多めです。
「合唱曲」について
世の中の多くの人って、最初に触れる合唱は小学校だったり中学校だったりのクラス合唱だと思うんだよね。でも、いわゆる「合唱曲」ってジャンルはクラシックすぎて難しかったり、合唱をやってない人は聞いても良さがわかりづらかったりする部分も多いから、なんか近寄りがたいなぁって思われてしまうこともあって。
そんないろんな人の合唱との出会い、言ってみれば初心忘るべからずみたいな気持ちもあって書いたのかなって、後から自分で分析しています。
個人的には、お決まりの素直なポップスのコード進行の曲って単調でつまんないと思っていた高校生のころから、もっと”曲のつくり”で聴かせられる部分っていっぱいあるんだなって、一つ大人の階段を上った証でもあるのです。
シンプルだけど、それが素敵なことであるって認めることは、わかっていても難しいよね。歌もそうだけど、デザインや、文章ももちろん。
今回の演奏とリライトについて
指揮は先輩という仮面を被った飲み友達の原田さん(たいぞーさん)、伴奏は大橋響子さん、団体はいろんなところから集まってもらって「はらわた」という名前で合唱祭に出ました。煮えくり返りそう。
数ヶ月の練習だったけど、とっても楽しかったです! 自分で書いた曲を自分で歌ってるんだからあたりまえなんだけど。本当にいい経験をさせてもらいました。
実は今回きちんと演奏するに当たって初めて書いた譜面からリライトをしてみて、改めて自分の書いた音と一回向き合ったのだけど。これがひじょーに勉強になりました。
本物のプロって、推敲が上手な人のことを言うんだろうな。思いつきのアイディアや、ラフのデザインや、構想の文章から、どれだけ素晴らしい物に粘ってブラッシュアップしていくか。僕はそれがとても下手なんだなぁって思い知らされました。一度形になった(したと思ってしまった)物を動かすのはとっても勇気がいる。なんとなくこういうパズルを思い出しますね。
たしかに0から1にすることよりも、1から100にすることのほうが数字としては大きくて、それなのに0から1にするインパクトに注目しがちだなぁって。僕は、少なくとも。
作曲者と指揮者、役割分担の話
広告の世界だと、プランナーがいて、監督(ディレクター)がいて、その先に制作陣がいて。その役割の分担って結構不思議というか、変に区切ってないか?と思わされる瞬間もありまして。
でも、今回曲を書いて、それを指揮者に振ってもらって……。そういうことをして、役割分担の意味というか意義というか、力というか、そういうことがようやく少しずつわかるきっかけになったなぁって思いました。
もちろんどっちもやるっていう人もいっぱいいるだろうけど、僕は指揮者として楽曲の細かい演出や現場で形にしていくことはできないな。(勉強している人と並べていうと失礼ですが)
楽譜って思ったより骨でしかなくて、それって企画書みたいだなぁというところから先に述べたことにつながったというわけでした。だったら、楽譜を売っていろんな演奏が世の中に生まれるみたいに、同じ企画書で違う演出のムービーが生まれてもいいけどね! そういえばちょうどそんな話を、以前杜こなて先生宅へおじゃました時にお話しました。
あ、でもそれって演劇の世界では脚本と舞台との関係で似たようなことが生まれているか。原作と映画とか。
世の中、なんでもつながっているなぁ。
というわけで
よかったら「大事なこと」の楽譜をダウンロードしてみてくださいね。